周王 龍巳を怒らせるな
龍巳の横に座る、穂華。

「可愛いなぁ~。
ほんと、可愛い~」
「たっちゃんは、綺麗……」
頭を撫でられながら、うっとりとしている穂華。

「参ったな……」
「え?あ、ごめんなさい!私、なんか気に障るようなこと……」
慌てて、謝る穂華。
「違うよ!謝らないで?
そうじゃなくて!
穂ちゃんの嫌がることしたくないけど、今無性にキスして抱きたい…!」
「キス!?だ、抱き……」
「ねぇ…キスはしてもいい?」
そう言って、今度は口唇をなぞられた。

「え━━━
ンン……」
「………穂ちゃんの口唇、柔らかくて気持ちいい…」
「いいって言ってないですよ……?」
「でも、いいって言ってるように見えたよ。
だから…もう一回……」
「ンンン……んぁ…
はぁはぁ……苦し…」
今度は深いキスをされた。

「ごめんね…穂ちゃんの口唇があまりにも柔らかくて、気持ちいいから……
癖になりそう……」
癖になりそうなのは、穂華も同じだった。
身体が熱く、ほてっていた。

自分でもびっくりだ。
キスがこんなにも気持ちいいとは……
よく考えれば、いい恋をしていない穂華。
もちろん穂華も彼がいたことがあるし、キスもセックスも経験がある。

でも、キスだけでここまで身体が昂るのは初めてのことだった。

無意識に、龍巳の服を握り締めた穂華。
そして、熱っぽく見上げた。

「え……?
穂…ちゃん…?」
「たっちゃん…もう一回…だけ…キス……したいな…」
恥ずかしい。
でも、それよりも欲望が抑えられない。
穂華は懇願するように、龍巳を見上げて言った。

「フフ…もしかして、興奮してる…?
いいよ…もう一回しよ…」
「ンンン……ふぁぁ…んぁ…」
穂華は夢中で、龍巳のキスに溺れていた。
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