好きになってもいいですか? ~訳あり王子様は彼女の心を射止めたい~
「帰るべきですよ」
「たまたま電話が繋がらないだけかもしれないじゃないか」
遥も萌夏ちゃんが心配なはず。誰よりもやきもきしているに違いない。
それでも自分の責任を全うしようとする遥を、上司として経営者として立派だと思う。
でも、恋人としては最悪。
「たとえそうでも、それを確認するべきです」
「はあぁー」
大きなため息とともに、やっとデスクを片づけ始める遥。
「何かわかったら知らせてください」
「ああ、礼ももう帰れ」
「はい」
言われなくてもすぐに帰る。
ただでさえ大地のことが心配で仕方ないんだから。
「すみません、川田さん」
いきなり秘書室から声がかけられた。
「はーい」
遥が帰り支度を進めているのを確認して、私は専務室を出た。
専務秘書室には秘書課の田中さんがいて、私を待っていた。
「ごめんなさい。何かあった?」
各取締役にはそれぞれの執務室に隣接する秘書室があり、専属秘書たちはそこで業務に就く。
それ以外に専属を持たない一般秘書達の詰める秘書室があり、田中さんもその一人。
「小学校から電話が入っていまして」
「え?小学校?」
「はい。専務とお話し中でしたからご用件を伺って折り返しますとお伝えしたのですが、待つとおっしゃいまして」
えー、どうしたんだろう。
よっぽど急ぎってことよね。
「で、まだつながっているの?」
「ええ」
「ああ、そう。出るわ」
不安な気持ちしかないけれど、出ないわけにはいかない。
「たまたま電話が繋がらないだけかもしれないじゃないか」
遥も萌夏ちゃんが心配なはず。誰よりもやきもきしているに違いない。
それでも自分の責任を全うしようとする遥を、上司として経営者として立派だと思う。
でも、恋人としては最悪。
「たとえそうでも、それを確認するべきです」
「はあぁー」
大きなため息とともに、やっとデスクを片づけ始める遥。
「何かわかったら知らせてください」
「ああ、礼ももう帰れ」
「はい」
言われなくてもすぐに帰る。
ただでさえ大地のことが心配で仕方ないんだから。
「すみません、川田さん」
いきなり秘書室から声がかけられた。
「はーい」
遥が帰り支度を進めているのを確認して、私は専務室を出た。
専務秘書室には秘書課の田中さんがいて、私を待っていた。
「ごめんなさい。何かあった?」
各取締役にはそれぞれの執務室に隣接する秘書室があり、専属秘書たちはそこで業務に就く。
それ以外に専属を持たない一般秘書達の詰める秘書室があり、田中さんもその一人。
「小学校から電話が入っていまして」
「え?小学校?」
「はい。専務とお話し中でしたからご用件を伺って折り返しますとお伝えしたのですが、待つとおっしゃいまして」
えー、どうしたんだろう。
よっぽど急ぎってことよね。
「で、まだつながっているの?」
「ええ」
「ああ、そう。出るわ」
不安な気持ちしかないけれど、出ないわけにはいかない。