これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜


「別にいいけど、あんた、ここどこか分かってる?」



「え?岸くんのお部屋でしょ?」



「そう、男の部屋ね。あんたもしかしてホイホイ誰の部屋でも入ってく感じ?それはやめた方がいいと思うよ。」



「んなっ!私は誰の部屋にもホイホイ行かないですっ!岸くんだからいっかな?みたいな、、、、」



なんか急に怒られてしかもなんかバカにもされて少しムカついてムキになってしまったけど、岸くんの言いたいことが少しずつわかってきた。私って、こんなに鈍感だったっけ?
急に恥ずかしくなってきた。岸くんだから大丈夫って思ってたの私。それ本人に言っちゃうのも恥ずかしすぎる。


「すみませんでした!今岸くんの言ってること分かりました。別に変なこと考えていたとかではなく、光輝のお友達枠というか、私も少し警戒心が緩んでいたことは確かでしたが、ほんとに襲うとか変なことは考えていませんでしたホントです!!」



勢いで早口で謝って頭を下げた。
岸くんの表情は見えないけど、無言が続くので顔をあげるのが怖かった。


「なんもわかってねぇ」と小声で言った岸くんの声は聞きとれなかったけど、そのあとの「わかったよ」の声が怒ってなくてそっと顔をあげた。



「ほら漫画。それ持ってさっさと帰って」


「え、あ、はい」


その後は追い出されるように帰ったのだった。

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