これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜



某ファストフード店に来た。


「私チーズバーガーのセットにしよ〜」


「俺はビッグ〇ックのセットだな」


「俺も同じのだな」


それぞれ注文をして、席に着く。


すると光輝と岸くんが漫画の話で盛り上がっていた。


私はあまり少年漫画を読まないから分からないんだけど、アニメは少し見るかなってくらい。だから、今連載中の作品の話をされると入っていけないんだよね。


漫画の話をしだすと途端によく喋るようになる岸くん。普段私の前では無口なだけで本当はこうなのかな?とか思うと、なんだか悲しい。


私、そんな人に冷たくされたことなんてなかったし、普通に傷付くんだけどなぁ。





「マジであれが今んとこ1番だな」
「それな。アニメ化ぜってーするぜ」


話に入っていけず、1人で黙々とSNSを見ながら食べる。


楽しそうに話す光輝を無意識に見ながらぼーっとしていた。


そしたら、
「あ、ごめん環奈。放置してた」


「いや、別にいいけどさ。出来ればその漫画の良さを私にも教えてくれたら嬉しいなーなんて」


「・・・え、佐山さん漫画興味ある系?」


すると急に岸くんが意外とでも言わんばかりに話しかけてきた。


話しかけられたことにもびっくりでしかもそこまで興味がある訳でもなくどうすればいいか短い間に頭を回転させた。

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