天敵御曹司と今日から子作りはじめます～愛され妊活婚～

１ＤＫで家賃は十三万ほどだったが、彼の知り合いが所有しているとかで八万で貸してもらえている。


「心配は尽きないか」
「そう、ですね」


私がうなずくと、彼は心配げに眉根を寄せた。

引っ越しをしたのにはわけがある。
半年ほど付き合っていた彼氏からＤＶ行為を受けて逃げたのだ。



――二カ月前のその日、担当塾の保護者説明会で遅くなった私は、同行してくれた小暮さんに車でマンションまで送ってもらった。


「真優。今までなにやってた！」


車を降りると彼氏の克洋(かつひろ)が待ち構えていて、いきなり怒鳴りつけられた。


「なにって、仕事だよ。説明会があったの。言ってあったよね」


私の帰りが遅くなるのを知っていたはずなのに、彼はすこぶる不機嫌だ。


最近克洋は、私の帰りが遅くなるとあからさまに眉間にシワを寄せて怒りを表す。
今日は小暮さんに送ってもらったから余計にだろう。