白鳥学園、いきものがかり
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寝息が聞こえる。
眠ってしまったのは紬だけ。
「………クソッ、」
紬を抱き寄せる鰐渕紘は舌打ちをした。
「こっちの気も知らねぇで…」
息を荒げ、肩に顔を埋めた。
シャツの中で紘の手が動く。
紬を抱きしめる力も強くなった。
「……つむぎ…」
手が上へとあがっていく…、
──────ピタッ、
触れかけた手を止め、深呼吸。
紬から離れ身体を起こした。
髪をぐしゃっと掻き上げる仕草をする。
「……………残り三週間、」
そう呟き、隣にいる紬に視線を向けた。
気持ちよさそうに寝ている紬に紘は思わず笑みを浮かべた。
寝返りをし、仰向けになった紬に紘が覆い被さるように跨った。
「…ようやく、ここまで来たんだ。最後まで我慢してやるよ」
紘はその後で「今はこれだけで辞めといてやる」と付け加えると、紬と唇を交わした。
紬の手首を握る紘の手に力が加わる。
触れただけのキス。
起きる事の無い紬。
「…チッ、次はこんなんじゃねぇからな」
そう言ってまたキスを落とした。
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