白鳥学園、いきものがかり



「……馬鹿な事でも考えてるのか?」


小さな呟きに聞き返そうと思った時。



────────ポタリ、


「…え、?」


カップから落ちたアイスが胸元にかかった。

買ったばかり、まだ固い状態。
それなのに、落ちた。


な、なんで。
落ちて…?


「ごめんごめん。手が滑った」


傑が笑った。
引き出しの中からタオルを取り出す。



「溶けてきたな…簡単に流れる、」



冷たい…。

伝い流れていくアイスを追うタオル。
顔、首を拭き、残るは胸元。


「パジャマにも染みてる。着替えしないとな」


プチッ…、
ボタンを一つ外された。


っっ…!


胸の前で腕をクロスにした。



「じ、自分で拭くから!出て行って!」



もう昔とは違う。

一緒にお風呂に入っていた頃より、ちゃんと女になってるの。


傑は一瞬だけ真顔に戻るが、また笑って両手首を掴んで来た。力に抵抗出来ず開いていく両手。


「傑…!」


「風邪拗らせてまた入院したいのか?辛いだけの病院生活にまた戻りたいわけないだろ?」


「っ…、すぐに着替え」



左頬に唇の感触、リップ音。



「俺がやる。じっとしてろ」



囁く声にドキッとした。
傑の顔が耳から首、そして胸元へ。



「…嫌がるなら仕方ねーな」


「っっ、や、やだ…!」



傑の舌が肌をなぞった。

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