白鳥学園、いきものがかり
「紬、おはよう」
目を前髪で隠す白マスク姿のアッシュグレー色の髪をした彼。
「る…累?」
突然だったから吃驚した。
髪の隙間から見える目が笑ってる。
「同じクラス、嬉しい」
そう言って指を絡ませた。
口数の少ない彼の名前は白狼 累。無愛想なんて周りから言われてるけど…私は笑ってる累しか知らない。
「累も、同じクラスなの?」
「うん。ずっと、一緒だね」
そう言って、また笑ってくれた。
凄く嬉しそうだった。
その正面には正反対の傑がいるけれど。
「白狼、勝手に間に入って来るな」
「…早い者勝ち」
同意を求めるように私を見た累。
…そ、そんな目で見られても。
だけどすぐにジッと見つめられた。
「紬、今日も可愛い。好きだよ」
「ま…またそんな事言って…」
通常運転。毎日毎日、会うたびにこんな事を言って来る。
きっとおふざけだろうけど…累は真面目な顔で言うから、毎回ドキドキしてしまう。
そんな事絶対あり得ないのに。
「ねぇ!僕も紬ちゃんの隣にいたい!」
「俺の紬に触んじゃねぇ!」
「煩いですよ猿共…紬は俺といたいですよね?」
────────五人は私の幼なじみ。
そうじゃなきゃ一緒に居られない。
それぐらいみんなは特別な人達だから。