白鳥学園、いきものがかり
硬い椅子は紘から貰ったこのクッションのお陰で、全然痛くなかった。
正直最初は「大丈夫かな?」なんて思っていたから、本当に紘には感謝してる。
─────けれど、問題はそこじゃなかったみたい。
「紬ちゃーん??」
突っ伏した状態の私は、翔の声で顔を上げた。
そこにはしゃがみ込んで同じ目線の翔と、立っている凪と紘の姿がいた。全員不思議そうに私を見ている。
「紬?具合わりぃのか?」
「何処が苦しいですか?直ぐに水を、」
…違うよ。
首を左右に振った。
苦しいわけでも、気分が悪いわけでも無い。
みんなはきっと知らない。
まさか、
「…勉強って、こんなに難しいの…?」
私が全く授業について行けないと言う事実を。