冷徹上司の、甘い秘密。



「……課長って、もしかして本当は超甘党なんですか?」



 甘い物嫌いで通っていた人がものすごい勢いでケーキを食べている姿は違和感でしかなかった。


 それを思い出して聞くと、課長の顔がみるみる内に甘く染まって。



「か、課長?」



 こんな飛成課長、初めて見た……!


 いつも無表情で冷静沈着なあの課長が!厳しくて怖いで有名なあの課長が!照れてる!



「……かわいい」



 ぼそり。思わず呟いてしまった声に課長の肩がビクッと反応する。


 それにまた恥ずかしそうに顔を手で覆った課長。


 次々出てくる新鮮すぎる反応に、私は思わず笑ってしまう。



「……何だよ」


「すみませっ……ふふっ、普段の課長と違いすぎてっ……あははっ」



 不貞腐れたような表情が、また面白い。


 一頻り笑った後、そういえば、と思い出す。



「いつも会社で私ブラック淹れてましたけど、もしかして……?」


「……あぁ。本当はブラックは苦手だ」


「ぶふっ……」


「笑うな」


「いやだってっ……私何年ブラック淹れてました?言ってくださればカフェオレにでもしたのに」


「この歳でこんな顔で、甘党でコーヒーも飲めないとか引くだろ……」



 恥ずかしそうな声は、段々と語尾が小さくなっていく。
それがまた可愛く見えてしまった。

< 18 / 186 >

この作品をシェア

pagetop