性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

その再会がキッカケで
華恋さんがストーカーの話を持ちかけたんだとしたら…
なんのため?
誰に何のメリットがある?


「詩菜…」

考えて込んでいた私に
壱琉が囁くように小さく呼ぶから
『あ、うん?』って我に返るように顔を上げると
なぜかとても悲しそうな顔で言うんだ。

「悪かった…俺のせいで…」

「え…」

「怖くて危ない目に遭わせた。
 あと一歩遅かったら
 命だってどうなったかわかんねぇ…」

そう言いながら不意に私の頭に巻かれた包帯に優しく触れるから、心臓がドクンと高鳴った。

心痛な表情で何度も『悪かった』って謝る壱琉を見るのは初めて。
私が勝手に庇った事だったのに…
壱琉は何も悪くないのに…
高鳴る心臓は、ドキドキじゃなくて苦しさへと変わる。

「…ッ」

何か言葉を返さなきゃって思うのに
目の奥が熱くなって気を抜いたら涙が出そうで、唇を噛みしめてしまう。

精一杯絞り出せた言葉だって
『大丈夫だよ』…だけ。

本当はもっと違う言葉を伝えたいのに。
壱琉のせいじゃないって
アンタが無事で良かったって…


そんな私の気持ちを知ってか知らずか
壱琉はスッと包帯から手を離し
気を取り直すようにシャキッとした瞳に戻り。

「さっきの男とのこと
 何があったのか
 もう一度詳しく教えろ」

その言葉に私もコクンと頷いた。

 
< 161 / 161 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
氷萌/著

総文字数/158,866

恋愛(オフィスラブ)272ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
彼との未来を本気で考えていた――― ブライダルプランナーとして日々仕事に追われていた“棗 瑠歌”は、2年という年月を共に過ごしてきた相手“鷹松 凪”から、ある日突然フラれてしまう。 それは同棲の話が出ていた矢先だった。 凪が傍にいて当たり前の生活になっていた結果、結婚の機を完全に逃してしまい更に彼は、同じ職場の年下と付き合った事を知りショックと動揺が大きくなった。 ヤケ酒に1人酔い潰れていたところ、偶然居合わせた上司で支配人“桐葉李月”に介抱されるのだが。 実は彼、厄介な事に大の女嫌いで―― 元彼を忘れたいアラサー女と、女嫌いを克服したい35歳の拗らせ男が織りなす、恋か戦いの物語―――――――
無彩色なキミに恋をして。
氷萌/著

総文字数/130,505

恋愛(純愛)232ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『お嬢様  私に何なりと御用命ください』 紺色のスーツを身に纏い 眉目秀麗で優しい笑顔を持ち合わせる彼は 日本有するハイジュエリーブランド “Ripple crown”の代表取締役社長兼CEOであり 父の秘書・私の執事でもある。 真白 燈冴(28歳) Togo Masiro 実は彼 仕事じゃ誰にでも優しく 澄んだ白い心を持つ王子のようなのに… 『何をご冗談を。  笑わせないでください。  俺が想っているのは緋奈星さま、貴女ただ1人。  なんなら、お望みとあれば  この気持ちをその体に刻んでも?』 わたしに向ける黒い笑顔は なぜか“男”だ。 漣 緋奈星(21歳) Hinase Sazanami **** 読者数560人を超えました。 皆様ありがとうございます。
隣人はクールな同期でした。
氷萌/著

総文字数/232,839

恋愛(オフィスラブ)487ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
マンションの隣に住んでいたのは 一緒に入社した同い年で同期の男でした――― 大手出版社 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) × 大手出版社 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) × 大手出版社 編集部所属 元カレ ●陽向 アルト●-Aruto Hinata-(33歳) × 大手出版社 事務 ●早乙女 ヒナコ●-Hinako Saotome-(23歳) 複雑に絡み合う4人の社会人。 等身大の恋愛を描く 最後の恋。 ――――― 2020年3月14日 無事、完結しました。 短期間の間に 読者数 900人を超えまして 皆さん本当にありがとうございます。 たくさんの方に読んでもらいたいです。 賛否両論あると思います。 その事実を真摯に受け止めながら 次の作品も書いていきます。 ファンになってくださっている方々 面白いと思ってくださる方々 そして、ランキング入り 【総合9位 ジャンル9位】 感謝の気持ちでいっぱいですm(_ _)m 『続・隣人はクールな同期でした。』 宜しくお願いします。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop