ー無邪気な殺人鬼ー
口元が赤い血で、汚れていたーー。

くちゃくちゃと、音が聞こえ溢れるように、大量の血が口から溢れ出した。
その異様な光景に、


私は、背筋が冷たくなるのを感じた。


「これ、おねぇちゃんもたべる?」



ポロ、と床に転がった物に
私の呼吸は止まりそうになる。


だってそれはーー、人間の指だから。





「ひっ!なんで、こんなことっ。
まさかっ」



私は思った。


血を抜かれ死んでゆく人間は、
小さな無邪気な小さな子の姿で現れた幼き殺人鬼に
その命を奪われてーー



息絶えたーー。




この世の溢れる犯罪の中で
もっとも扱いにくい殺人鬼であることは間違い無かった。



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