死と生の境界線


突然切り出された、別れ話。
それはあまりにも軽率過ぎる言葉だった。


「なんつーか、重いんだよね」


ショックとか、そういうのを通り越して、冷静に受け止めている自分がいた。

私は彼の言葉の重さを真剣に受け止める気もせず、まるで他人事のように

「いいよ」

と、一言で返した。


向こうに気持ちがないと分かっているのに、「嫌だ、別れたくない」とまで彼に縋りつくほど、最後まで面倒くさい女になりたくなかった。



< 2 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop