大っ嫌いなのに………

ーガチャ

和樹くんが戻ってきてしまった。

 
「診察するから身体、起こせる?」


「……… 」


「叶花!布団に潜らない! 苦しくなるから出るよ」


勢いよく布団を巻くられる。

和樹くんの前じゃ無駄な抵抗は通用しない。



「叶花、聴診ならいつもやっているから怖くないでしょ? 」


「…本当に聴診しかしない? 」


「後で病院行くから、
とりあえず今は胸の音聴くだけだよ 」

「……… 」


病院……

嫌すぎて涙目になってきた。



「少し服を上げて。体辛いなら横になったままでいいから 」


少しだけ服をまくると、聴診器が入ってきた。


「すぐ終わらせるから、ゆっくり深呼吸して 」

「うん…。スーハ………スーハ 」


< 3 / 244 >

この作品をシェア

pagetop