あの日、小猫と出会ったから
小猫の不安と野良猫の苦悩
すぐに起こすのも可哀相かと思って、リフを寝かせてやる事にした。普段使ってるままじゃあんまりかと思い、押し入れの布団の上に一番綺麗なタオルを広げる。すかさずアイが飛び乗ってきて、リフの傍らに丸くなった。
仲良く眠る、小猫と白猫。一つ欠伸をして、俺も板間に横になる。
ちょっと疲れた。最近あまり眠れていないせいもある。ま、三十分も眠ればすっきりするだろう。その頃にはきっと、リフも落ち着いてるだろう。
目を瞑ると、虫の合唱に混じって川の音が聞こえてきた。
三十分どころかそのまま爆睡してしまい、目が覚めた時には薄汚れた窓から西日が差し込んでいた。
早く送っていかないと、逆に誘拐犯扱いされてしまうかもしれない。慌ててリフを揺り起こした。
ところが、
「今日はね、もう暗いからね、ここに泊まってく」
リフは目を擦りながらそんな事を言い出した。ちょっと待て、暗いのは部屋の中だけで、外はまだオレンジ色だ。
「おい、勝手に決めるなよ。それに、兄貴や先生方が心配してるだろ」
「してない」
即答だった。寝ぼけているとは思えないその早さに、返す言葉がすぐには出てこなかった。
リフは膝を抱えて縮こまる。
「先生達は、僕の事じゃなくて、僕に何かあって自分がどうなるかを心配してると思う。……別に良いのにね、僕は兄様と違って跡取りじゃ無いし」
「そういう問題じゃ無いだろ」
「だって」
悲しそうな声でリフは言う。
「兄君と違って弟君は出来が悪い。皆と違う、突飛な事ばかりするから手が掛かる。頭の悪い変わり者が跡取りじゃ無くて本当に良かった、って先生言ってたし」
「うーん……」
確かに、リフは妙に幼かったりするし、変わった所もある。でも、別に他人と比べる必要無い。まして、出来の良い兄貴と比べられるのはキツイだろう。傷付くリフの気持ちも分かる。
ただ、先生方には大人の見方とか事情とか、子どもには分からない大変さが色々あるんだろうし。一概にどうとか言えない。
リフは泣きそうな声で続ける。
仲良く眠る、小猫と白猫。一つ欠伸をして、俺も板間に横になる。
ちょっと疲れた。最近あまり眠れていないせいもある。ま、三十分も眠ればすっきりするだろう。その頃にはきっと、リフも落ち着いてるだろう。
目を瞑ると、虫の合唱に混じって川の音が聞こえてきた。
三十分どころかそのまま爆睡してしまい、目が覚めた時には薄汚れた窓から西日が差し込んでいた。
早く送っていかないと、逆に誘拐犯扱いされてしまうかもしれない。慌ててリフを揺り起こした。
ところが、
「今日はね、もう暗いからね、ここに泊まってく」
リフは目を擦りながらそんな事を言い出した。ちょっと待て、暗いのは部屋の中だけで、外はまだオレンジ色だ。
「おい、勝手に決めるなよ。それに、兄貴や先生方が心配してるだろ」
「してない」
即答だった。寝ぼけているとは思えないその早さに、返す言葉がすぐには出てこなかった。
リフは膝を抱えて縮こまる。
「先生達は、僕の事じゃなくて、僕に何かあって自分がどうなるかを心配してると思う。……別に良いのにね、僕は兄様と違って跡取りじゃ無いし」
「そういう問題じゃ無いだろ」
「だって」
悲しそうな声でリフは言う。
「兄君と違って弟君は出来が悪い。皆と違う、突飛な事ばかりするから手が掛かる。頭の悪い変わり者が跡取りじゃ無くて本当に良かった、って先生言ってたし」
「うーん……」
確かに、リフは妙に幼かったりするし、変わった所もある。でも、別に他人と比べる必要無い。まして、出来の良い兄貴と比べられるのはキツイだろう。傷付くリフの気持ちも分かる。
ただ、先生方には大人の見方とか事情とか、子どもには分からない大変さが色々あるんだろうし。一概にどうとか言えない。
リフは泣きそうな声で続ける。