あの日、小猫と出会ったから
「ジェイミーは、本当に良くしてくれたの。だから僕、御礼がしたいんだ。せっかくお友達になれたんだもん、僕達明日帰国だし、それまで一緒に居たいの。だから、今日泊まって貰ってもいい?」
「ちょっ、リフ、じゃない、シェリフ殿下」
「ね、いいでしょ? 兄様」
出た、小猫のおねだり光線。てか、俺の意志は無視かよ。
シェリフのおねだりに、兄貴は意外にも首を縦に振った。
「分かった、そうしよう。それに、僕も彼と話がしてみたい」
冷静な口調、クールな眼の奥に、挑戦的な火花がチカリと光って見えたのは、気のせいだろうか。
「イルジア、アトラスさんに部屋の用意を」
「畏まりました、殿下」
「エディス、カルミア。アトラスさんをお連れして、身支度を頼む。それが済んだら、僕の部屋へ通して待っていただいてくれ」
「畏まりました」
「アトラスさんはシェリフの友人だ。くれぐれも失礼の無いように」
「はい」
「今から各所へ報告とお詫びに行く。セネカ、シトラは僕に同行。シトラ、車を回してくれ」
「畏まりました」
すごい、流石は次期王様だ。テキパキした隙の無い采配の振るい方に、思わず惚れぼれする。
「そして、アークはシェリフをレオン先生の所に連れて行ってくれ。大層ご立腹だから、お説教は夕飯までかかるかもな」
シェリフはしょんぼりと俯く。厳しい先生だって言っていたし、相当絞られるんだろう。
「くれぐれもシェリフを逃がすなよ、アーク」
「畏まりました。参りましょう、シェリフ様」
項垂れたまま、手首を掴まれて引いて行かれる小猫の姿に、思わず同情した。
『僕は、出来損ないなの』
そう言っていたシェリフを思い出して。
確かに、如何にも高貴な方々って感じの兄貴や周りの御付き達と比べると、ほにゃらかしているシェリフは異質かもしれない。もしかしたらそのせいで、今まで先生に話を聞いてもらえず、王子らしくない……暗に出来損ないだと怒られて来たのだろうか。
「あ、あの、王太子殿下」
考えるより先に口を開いていた。兄貴はクールな顔で振り返る。
「何か?」
「あの、シェリフ殿下をあんまり怒らないで頂き、たい、と……」
衝動的な請願がしりすぼみになったのは、分不相応な発言だと言わんばかりの周囲の視線のせいだ。
「ちょっ、リフ、じゃない、シェリフ殿下」
「ね、いいでしょ? 兄様」
出た、小猫のおねだり光線。てか、俺の意志は無視かよ。
シェリフのおねだりに、兄貴は意外にも首を縦に振った。
「分かった、そうしよう。それに、僕も彼と話がしてみたい」
冷静な口調、クールな眼の奥に、挑戦的な火花がチカリと光って見えたのは、気のせいだろうか。
「イルジア、アトラスさんに部屋の用意を」
「畏まりました、殿下」
「エディス、カルミア。アトラスさんをお連れして、身支度を頼む。それが済んだら、僕の部屋へ通して待っていただいてくれ」
「畏まりました」
「アトラスさんはシェリフの友人だ。くれぐれも失礼の無いように」
「はい」
「今から各所へ報告とお詫びに行く。セネカ、シトラは僕に同行。シトラ、車を回してくれ」
「畏まりました」
すごい、流石は次期王様だ。テキパキした隙の無い采配の振るい方に、思わず惚れぼれする。
「そして、アークはシェリフをレオン先生の所に連れて行ってくれ。大層ご立腹だから、お説教は夕飯までかかるかもな」
シェリフはしょんぼりと俯く。厳しい先生だって言っていたし、相当絞られるんだろう。
「くれぐれもシェリフを逃がすなよ、アーク」
「畏まりました。参りましょう、シェリフ様」
項垂れたまま、手首を掴まれて引いて行かれる小猫の姿に、思わず同情した。
『僕は、出来損ないなの』
そう言っていたシェリフを思い出して。
確かに、如何にも高貴な方々って感じの兄貴や周りの御付き達と比べると、ほにゃらかしているシェリフは異質かもしれない。もしかしたらそのせいで、今まで先生に話を聞いてもらえず、王子らしくない……暗に出来損ないだと怒られて来たのだろうか。
「あ、あの、王太子殿下」
考えるより先に口を開いていた。兄貴はクールな顔で振り返る。
「何か?」
「あの、シェリフ殿下をあんまり怒らないで頂き、たい、と……」
衝動的な請願がしりすぼみになったのは、分不相応な発言だと言わんばかりの周囲の視線のせいだ。