あの日、小猫と出会ったから
そんな俺に、ある日面会人が現れた。父さんの友人の息子で、俺の身元引受人になってくれる人と、その甥だという。ダグラス・ローゼンウェインとリフ・アルバ。聞き覚えのない名前だったが、とりあえず来いと言われたので従った。錠をかけられた手を刑務官に引かれて、俺は面会室に連れて行かれた。
「ジェイミー」
一瞬耳を疑った。厚い氷の向こうから聞こえてきたのは、忘れもしない小猫の声だったから。
「僕、リフだよ。覚えてる? ダグラス叔父さんがジェイミーを探してくれて、やっと会いに来れたんだ」
「…………」
こみ上げる懐かしさを、凍り付いた心が噛み砕く。俺は無表情のまま黙っていた。
なぜ、シェリフがここにいる。一国の王子様が、どうして死にかけの野良猫に会いに来る。しかも、こんな所にまで。
無反応の俺に戸惑ったんだろう。シェリフが『ダグラス叔父さん』と呼んだ、聞き覚えのある男性の声が刑務官に尋ねた。
「彼はどうしたのですか。聞こえないのでしょうか」
聞こえないんじゃ無い、氷壁が邪魔なのだ。どんなに手を伸ばしても、壁の向こうのシェリフに手が届かない。伝えたい言葉さえ凍りつく。
目が見えていないこと、精神的にも身体的にも回復途中であることを事務的に伝える声がした。
やがて、すすり泣きが聞こえる。
「ジェイミー」
一瞬耳を疑った。厚い氷の向こうから聞こえてきたのは、忘れもしない小猫の声だったから。
「僕、リフだよ。覚えてる? ダグラス叔父さんがジェイミーを探してくれて、やっと会いに来れたんだ」
「…………」
こみ上げる懐かしさを、凍り付いた心が噛み砕く。俺は無表情のまま黙っていた。
なぜ、シェリフがここにいる。一国の王子様が、どうして死にかけの野良猫に会いに来る。しかも、こんな所にまで。
無反応の俺に戸惑ったんだろう。シェリフが『ダグラス叔父さん』と呼んだ、聞き覚えのある男性の声が刑務官に尋ねた。
「彼はどうしたのですか。聞こえないのでしょうか」
聞こえないんじゃ無い、氷壁が邪魔なのだ。どんなに手を伸ばしても、壁の向こうのシェリフに手が届かない。伝えたい言葉さえ凍りつく。
目が見えていないこと、精神的にも身体的にも回復途中であることを事務的に伝える声がした。
やがて、すすり泣きが聞こえる。