毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「……今は、あんまり仲良くないから」




おばあちゃんの隣に並んで柿を剥いてるところを眺めていると、


おばあちゃんが『あらあら…』と眉を下げて笑った。




「そうかい…。
てっきりすーくんは
千花ちゃんとはずっと一緒にいるものだと思ってたよ」



「まぁ…昔はいつも一緒だったしね。
昴くんも、私のことはもう嫌いだと思う」




少し落ち込んだ声が出てしまった。



おばあちゃんにバレないように誤魔化そうとしたら




「千花ちゃん、


座って柿食べようかね」




剥いた柿を机に置いて、おばあちゃんはにこにこ笑っていた。




「……うん」




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