毒吐き幼なじみはときどき甘い。








放課後になって、ゆっくり帰る支度をする。



雪森くんはスマホをいじってて、まだ席を立つ気配がない。



今日は一緒に帰らないからか、昴くんも来ない。



今が、チャンスかも。



でろでろくんを見つけてあげられなかったこととか、協力すると言って役に立たなかったことを謝ろうと頭の中で謝罪の文章を並べていたら。




「……なぁ」



「……えっ?」




いつの間にか、雪森くんが目の前に立っていて、私を見下ろしていた。



……えっ、なんで雪森くんがこっちに?



あ、役立たずって怒りに来た…?




「あ、ご、ごめんなさい。
昼休み、でろでろくん探しで役に立てなくて…」



「あー…いや、それはいいから。
迷惑かけたの俺だし。泥棒扱いとかして不快な思いさせた俺の方が悪いだろ。
“千花ちゃん”は謝んなよ」



「……へ?」




雪森くん、今、



私の名前……言った?




< 31 / 293 >

この作品をシェア

pagetop