毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「べつにいいけどね。
つーか、かわいいと思われてたのか」
「あの頃はみんなかわいいと思ってたけど」
「じゃあ、
昴のことも俺と同じくらいかわいいって思ってたの?」
突然私の前に移動して、ズボンのポケットに手を入れながら私を見下ろす雪森くん。
その表情は、なんだか少し…拗ねているように見えた。
「……あの頃は、思ってたかも」
「……そうなんだ」
「でも、今の昴くんは全然かわいげないし、
かわいさの“か”の字もないくらい嫌い。大嫌い」
あの頃の昴くんは、
もうこの世から消えてしまったんだ。うん。