毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「千花ちゃん、いつも一人でいるから、
誰かと楽しそうに話してるところ、あんまり見たことないな」



「あー…私友達いないから」



「それ、ほんと不思議なんだけど。
昔は誰とでも仲良く話してたじゃん。
友達つくるの苦手じゃないだろ?」



「……」




そうだった、けど…。




「……いいよ、友達なんて」



「千花ちゃん…?」




不思議そうに首を傾げる雪森くんに、


「早く学校に行こ」と声をかけて、スタスタと早歩きした。






『俺と昴、どっちが好き?』




そんなこと、聞かないで。



友達が出来ないことも含めて、昴くんのことが大嫌いなんだから。




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