とろけるような、キスをして。
「そうだ。ちゃんと四ノ宮先生にも報告しとけよ?」
「あ、そうだった。晴美姉ちゃんに連絡するって言われてたんだ」
お肉を咀嚼しながらスマートフォンを取り出すと、案の定晴美姉ちゃんからメッセージが一件と大量の写真や動画が送られてきていた。
その写真は、今日先生と一緒に撮った振り袖姿のツーショット。それと晴美姉ちゃんとのツーショットだった。
「みゃーこ、俺との写真送って」
「え?晴美姉ちゃんから直接送られてきてないの?」
「うん。来てない」
「もー……じゃあ連絡先教えて」
「……よし!四ノ宮先生に感謝しないと」
「え?何?」
「なんでもなーい」
またボソッと何かを言っていたような気がするけれど、先生が嬉しそうにスマートフォンを見つめて送った写真を眺めているから気にしないことにした。言わないってことは、大して重要じゃないってことだろうし。
「先生、晴美姉ちゃんにちょっと電話してもいい?」
「うん。もちろん」
「ありがと」
晴美姉ちゃんの番号を選んでスマートフォンを耳に当てる。
数回コール音が鳴って、途切れた。
『もしもし?美也子からの電話なんて珍しいじゃん』
「晴美姉ちゃん、今大丈夫?」
『うん。大丈夫だよ』
「さっきは写真ありがとう。先生にも送っておいた」
『え?深山先生と連絡先交換したの?』
「うん。今一緒にいるんだけど、写真送れってうるさいから」
目の前で"うるさいは余計だ"と笑っている先生を横目に見ていると、
『え!一緒にいるの!?本当!?ちょっと深山先生に代わって!』
と晴美姉ちゃんが叫ぶように言う。