とろけるような、キスをして。



「だから私たちが美也子ちゃんに怒ることはないわ。でもこれからは美也子ちゃんがいるから、二人ももう怒っていないはずよ。美也子ちゃんが二人を大切に思ってくれれば、二人は絶対に喜ぶから」



 伯母さんは、そう言って私に満面の笑みを向けてくれた。晴美姉ちゃんにそっくりな笑い方で、こちらまで笑顔になってしまう。


 伯母さんは、今までの法要の話や今後の話を私にもわかるように説明してくれて、今度からは私が責任を持って二人を弔うことを約束した。


 伯母さんと話していると私が来ていると聞き付けた晴美姉ちゃんが来たりして、お母さんの話で盛り上がった。


 午後は先生と合流して、実家暮らしで足りなくなりそうなものを買い出しして。


それも先生が払うと言うから、ならもう一緒に買い物には行けないと言えば素直に引き下がった。


今度からこの手を使おうと思う。


 そしてこの日も私は夜、お風呂に入った後逃げるように部屋に向かう。


しかし、遮るように腕を取られてしまい、足を止めた。


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