茨ちゃんは勘違い
「ぎゃあぁぁぁあぁぁぁっ!!いやぁぁぁあぁぁぁっ!!びゃあ゙ぁゔま゙ひぃいぃぃぃいぃぃっ!!!」
「喚くな、と言っている。このまま脳漿を撒き散らしたいなら黙らなくていいが。」

全く熱を感じさせない、液体窒素のような呟きに、茨の動きはピタリと止まる。

そのやり取りをそれまで黙って見ていた西谷校長が、初めて口を開いた。

「黒酉先生、あまり生徒に過剰な教育指導はしないで下さい」
「は、すみません」

やけに素直に西谷の言うことを聞いた黒酉は、ガッチリ掴んだ手をパッと離す。

宙から落とされた形になる茨は、そのまま強烈に臀部を打った。

「痛っ!いった~い…」

半べそで尻を擦る茨に、容赦無い黒酉のするどい眼光が突き刺さった。

言葉を発する事なく、目で伝わる。

(取り敢えず、大人しくしろ)

ビクッと肩を震わせると、言われた訳でも無いのに正座で西谷校長の方を素早く向く茨。

やはり今の時代に必要なのは、要所要所での愛の鞭のようだ。

超マイワールド&超マイペースの茨がこんだけ素直になるという事が、紛れもない効果であり結果だ。
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