ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「ルールーの言う通りだ。チームで仕事を分担して準備はすべて済ませたし、エリナの発案した『タイムテーブル』なる計画書も作り上げて、事前の打ち合わせもしっかりとやった。食材も会場設営も不足はない」

 ルディはエリナに「よくがんばってきたな」と微笑んだ。

「責任感が強いエリナは、なんでもひとりで抱え込もうとしてしまう。だが、仲間がいることを忘れてはならないぞ。今回、母上やミメットが、歳の近いウィリオ王子とルールー嬢とでこの企画の責任者となることを勧めてきたのは、エリナが仲間と力を合わせて物事に取り組めるようになれればよい、という思惑もあったのだと思う」

 サランティーナ王妃は、エリナのことを娘のように大切に思っていた。そして、彼女が辛い過去を抱えていてなかなか他人に頼ることができず、そのこと自体がエリナの心を傷つけていることに気がついていたのだ。

「……そうですね。ウィリオ王子とルールーだけじゃなくて、わたしには力強い仲間がたくさんいるんですね」

「そうだな」

 言葉を尽くしても、納得させることは難しい。
 だから王妃は、信頼できる友人となにかを成し遂げる経験から、他人に心を許して任せることを覚えて欲しいと考えていた。
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