ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 どこでもない空間で、フォーチュナはクー・シーと話をしていた。

「エリナは……フェアリナは、妖精として不思議な力を持っているみたいね」

「え? そうなの?」

「そうよ。あの子は、世界を変えるかもしれなくてよ」

「ええっ!」

 子犬がぴょんと飛び上がる。

「地球で暮らしていた時、エリナの幸運は他人に搾取されていたでしょう? 今はそれをすべて取り立て……取り戻して、エリナのものにしたけれど」

「ねえ、今、『取り立てて』って言ったよね?」

「き、気のせいよ」

 珍しくうろたえるフォーチュナ……エリナびいきの彼女はどうやら厳しく取り立てたらしい。

「……エリナに意地悪をした人のこと、すごく怒っていたじゃない? もしかして、かなーり多めに幸運を取り戻していたりして?」

 フォーチュナは、こほんと咳払いをして言った。

「借りたものに利息をつけて返すのが、地球の常識ですからね。わたくしは常識の範囲で回収しただけよ」

「ふーん、そうなんだ。それが当たり前のことだね」

 フォーチュナの言う常識的な利回りがなにを基準にしていたのかは、クー・シーも知らない。
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