シェアハウスの相手は推しで溺愛されました。  【完】


「はるく〜ん、着替えたよ。」

私が、はるくんの家のシャワーリビングに行くと、はるくんはゲームをしていた。

「着替えたか。
じゃあ、俺、次行くからここで待ってろ。
ゲームしていいから。」

「分かった。」

はるくんは、ゲームを私に渡してシャワーを浴びに行った。
私、ゲームしないんだよな〜。
下手くそだし。

私はスマホを取り出した。
見てみると、メールの通知 20件!?
私は今さっきから言っているように友達が数人しかいない。
だから、メールなんて全然使わないし、通知がたくさん来てもせいぜい5件程度だった。
なのに、今日どうした?!
誰から?

メールを急いで開く。
すると、画面には……
『橘 翔太 20』
と、表示されていた。

翔太くん!?
何かあったのかな。
私は、来ているメールをすべて読んだ。

『みーちゃん、大丈夫?』

『もう、大学終わってるよね。』

『雨、たくさん降ってるけどみーちゃん、傘持ってる?』

など、たくさんのメッセージ。


忘れてた……。
連絡するの。
急がないと、翔太くんにもっと心配かける。
私がメールを翔太くんに送ろうとした時、

なんと、翔太くんから電話がかかってきた。

私は驚きすぎてスマホを絨毯の上に落とす。

初めての電話だ〜!
推しと。

ってそんな事どうでもいいからとりあえず出なきゃ。
通話ボタンを押した。


『みーちゃん、大丈夫?』

スマホを耳にあてた瞬間、翔太くんの物凄く大きな声がきこえた。

「大丈夫。」

『良かった〜。
僕、めっちゃ心配したんだから。』

やっぱり物凄く心配かけちゃったな。
ちょっと怒ってる。

「ごめん、連絡するの忘れてて。」

『えー!
今度からはちゃんと忘れずに連絡してよね。』

「分かった。」

これは家帰ったらなんか、なんか色々とお母さんみたいに言われそうだし、機嫌も悪そうだからケーキ買って帰ろう。


『そういえば、みーちゃん雨降ってたけど大丈夫?
傘持ってた?』

「それが……」

私は傘を忘れて、今、友達の家にいる事を伝えた。

『大変だっね。
今度、僕、みーちゃんの友達に会ってみたい!!』

「いや〜、それは出来るかな?」

『絶対会うもん!
みーちゃん、僕、今日、夜遅いから先寝てて。
夕ご飯は冷蔵庫の中に、あるから。』

まるで駄々をこねるみたいに会うと宣言した翔太くん。
真希に会わせたら大変なことになりそう……。


「ありがとう。」

『いいよ〜。
今日の夜、僕達、 little starのライブ配信サービスあるから見てね〜。』

「うん!」

プープー

翔太くんとの通話を終えた。


「お前、誰と話してたんだ?」

後ろを振り返ると、はるくんが立っていた。
聞かれてたかな?
もしかして、翔太くんのこと、バレた?!

「どこからきいてた?」

「ありがとうの所。」

セーフ。
全然きこえてなかった。

「シェアハウスの相手か?」

真希とはるくんにはシェアハウスの事を話している。
はるくんは、無反応だったけど、真希は『恋が目覚める〜?』とか言って盛り上がってた。一人で。

推しと恋が目覚めたら、相当ヤバいと思うけど。


「うん。そうだよ。」

「そうか。」

はるくんは、そう言うといきなり立ち上がって窓を見た。

「雨、やんでるし送ってくよ。」

「ありがとう。」


この時、はるくんが不機嫌だったのはどうしてだろう……?
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