かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
「葉月が新入社員で入社してすぐに俺が面倒を見ることになって、何ごとにも一生懸命で仕事に真面目に取り組む姿勢に感心した。その反面ちょっと失敗するだけで落ち込んだり仕事がうまくいって笑顔になったり、コロコロ変わる表情はたまらなく魅力的で、そんな葉月の虜になるのに時間はかからなかった」
遊佐さんは真綿のような柔らかい口調でそう話し、私の身体をギュッと抱きしめ直した。
私が魅力的? 虜になるのに時間はかからなかった? そんな冗談みたいな話、誰が信用すると思う?
戸惑いから、身体はふるふると震えだす。遊佐さんは私の身体をそっと離すと、温かい手で私の両頬を包み込んだ。
「好きだ」
前にも一度聞いた愛の言葉。あのときは全く信じられなかったけれど、入社したときから私のことを見てくれていたことを知って心が揺れ動く。
「……本当に?」
「これ以上どう言えば、葉月は俺のことを信用してくれるんだ?」
遊佐さんの言葉だから信じたいけれど、やっぱり自分に自信が持てなくて。この想像もしなかった現実をうまく消化できないのだ。