幸せの探し方
「心配ありませんよ、相手もちゃんと理解してくれていますから」

門谷さんは言った。

「何でそんなこと言えるんですか…？」

理解してくれていなかったらどうするんだよ…。

「セフレなんて、そう言うものですよ。

お互いの欲を吐くために躰を重ねている、そこに恋とか愛なんて存在しませんから」

門谷さんはそう答えた。

「なので、俺は今からあなた専属のセフレとして他でかけていたその時間をあなたに使います」

「いや、なってすらもいないんですけど」

門谷さんはわたしに近づいたかと思ったら、その指をわたしのあごに添えた。

「なる努力をするまでですよ」

「はっ…？」

「あなたの口から“なる”と言わせる努力を俺がするまでですから」

門谷さんはそこで言葉を区切ると、
「覚悟してくださいね」
と、宣言した。
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