公然の秘密
「もう!」

痺れを切らした様子で小桃が大きな声で言った。

耳元で大きな声を出されたので柚愛はスマートフォンを少しだけ耳から離した。

「そんなに気になるんだったら、尾関さんに直接聞けばいいじゃないの!」

小桃は言った。

「ちょっ…ちょっと、そんなにも大きな声を出したら赤ちゃんが起きちゃうよ?

だ、大丈夫なの?」

「今、旦那が寝かしつけをしてるから大丈夫よ」

慌てて言った柚愛に小桃は言い返した。

「そ、そう…」

じゃあ、大丈夫なのか…と、そんなことを言っている場合ではない。

「き、聞くって…私が麗一さんに?」

「他に誰がいると思ってるの?」

ごもっとも過ぎるその意見に柚愛は何も言い返せなかった。
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