公然の秘密
尾関と一緒にアイスを食べながら家路へと向かって歩いた。

「何かいいよな、こう言うの」

そう言った尾関に、
「何が?」

柚愛は聞き返した。

「何つーか、青春してるって言うの?

所謂、“エモい”とかって言うじゃん」

「あー、エモいか…」

「こうして買い食いしたのって、いつぶりなんだろうな…」

「もうわかんないね」

柚愛と尾関はお互いの顔を見あわせると、フフッと笑った。

「さ、帰ったらまた勝負だ!」

はりきっている尾関に、
「えーっ、まだやるのー?」

柚愛は呆れた様子だった。

「夜はまだ長いんだし、これと言った予定も入ってないから心配すんな!」

「そんな心配はしていない!」

やいのやいのと言いあいをしながら一緒の家へと帰るのだった。
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