午後八時十七分、シャッター横の路地裏で、

「店長ぉ~」
「あら何かしら。メンヘラヤンデレ自演乙ストーカーバイトくん」
「この前の、ありがとうございました。予定通りみっちゃんに嫉妬してもらえましたぁ~」
「きっしょ」
「みっちゃん、すっごく可愛いかったです。危うくゴミ出し用の箱の上に押し倒して服とか何か色々ひん剥いちゃうとこでした……! ダメですよね、そんなの。やっぱりムードって大事ですし、そういうのは色々と慣れてからですよね!」
「メンヘラヤンデレ自演乙ストーカー強姦未遂バイトくんに格上げね」
「あはは。キャラが渋滞してますねぇ」
「キャラならまだ救いようもあったでしょうに」
「あれ……いいんですか? そんなこと言って」
「……」
「兄(一番上)の携帯番号、要らないんですか?」
「恋愛って、素晴らしいわよね! 我慢したキミは偉いわ! さすがね!」
「……きっしょ」
「うっさい! 早く番号寄越しな!」
「はいはい」
「っしゃあ! ゲットだぜ! ハイは一回ッ!」
「てか、兄、既婚者なんでほどほどにしてくださいね」
「分かってるわよそんなの」
「……」
「そもそも私、他人のモノじゃないと興奮しないの。それが大前提だもの、上手くやるわよ」
「左様で」
「ええ。まぁ、また何かあったら相談なさい。確か、二番目のお兄さんも既婚者で、三番目のお兄さんは最近婚約なさったのよね? 協力は惜しまないわ」
「……僕よりクズですね」
「何か言った?」
「いいえ何も」


 ーおまけ 終ー
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