The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「咲良。エドガーの代わりに迎えに来た。エドガーはギャンブルで手が離せないらしい」
「…へぇ、そうなんだ。わざわざありがとう、バッカス」
不思議そうな私にバッカスが何故自分がここにいるのか無表情のまま説明してくれる。
私は表面上では何とか笑顔でバッカスにお礼を言った。
前言を撤回させて欲しい。
エドガーはやっぱりクズだ。
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バッカスと一日中薄暗い魔界の街を歩いて帰る。
バッカスは食のこと以外無関心なので私もバッカスも特に何かを話すことはない。
たまに私が話しかけてはみるが食以外の話題には「ああ」くらいしかバッカスが返さないので会話はすぐに終わってしまっていた。
だからと言って別に気まずくはない。
バッカスはこういう性格だからね。
『すでに力がある分強い悪魔は契約に対して気まぐれだ』
ふと先程魔王が私に言った言葉が頭をよぎる。