Every single day
そう言うと、道哉はむせた。

「大丈夫?」

「いや、なんか突拍子もないこと言うから…もしかして誤解されてたら嫌だから一応言うけど、俺とあいつは健全な友達だよ?」

「それはわかってる。だけど、あの頃の私…知らなかったの。男の子って友達のためなら好きな人がいても身を引くことも多いって」

そう言うと、道哉は私の言わんとすることをようやく納得したようだ。

「びっくりした、まさか俺があいつと特別な関係だと誤解してたのかと…」

「でも、仲良かったでしょ?道哉、一瞬だけど、私にそっけなかったし」

「ほんとに一瞬な。でも、結局は俺…身を引こうとしたこと、すぐに後悔したよ」

道哉のお茶碗が空になっている。

「おかわり要る?」

「ありがとう。だけどもう満腹だから大丈夫だよ」

「もしかして体調悪いとか…?」

ついさっき、昔の道哉の食べっぷりを思い出していたので、不安になった。

「違うよ。40近くにもなると、若い頃より食も細くなっていくし、脂っこいものが受け付けなくなったり。紫苑だってそうだろ?」

それは確かにそうだ。

若い頃は、ケーキバイキングにでも行けば、どれだけでも食べられたが、今はもう無理だろう。

しかも、食べたら食べたで、すぐに太ってしまう。

「そういえば道哉、昔から太るってことを知らなかったよね。いいなぁ」

「紫苑だって全然太ってないじゃん?」

「気づかないふりしてくれて優しいね…私、実は結構太ったよ」

「そう?じゃあ今夜確かめてみようか」

「…もう!」
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