Every single day
初めてのデート、そして…
道哉がデートに誘ってくれた…。

それだけのことで、私は夢を見ているような気分になった。

「紫苑?どうしたの?」

母に言われて我にかえった。

「なんだか…ぼんやりしてるみたいだけど」

「そんなことないよ、母さん、疲れてるでしょ?マッサージしてあげる」

「ありがとうね」

母の全身をマッサージしていても、心は上の空だった。

「紫苑」

「ん?」

「道哉くん、昔から優しい子だったけど、本当に素敵になったわね」

心のなかを見透かされたようで、ドキッとする。

「う、うん。道哉は昔もいまも優しいよ」

「よかった…紫苑のボーイフレンドは優しい子で。紫苑には、私と同じ失敗をしないでほしいから…」

ボーイフレンドって…まぁ、そういうことになるのかなぁ。
< 48 / 104 >

この作品をシェア

pagetop