Every single day
現在
「道哉…」

「ん?」

「愛してる…」

海辺のカフェで向き合いながら、私がそういうと、道哉はむせた。

「な、何?突然このタイミングで…」

「だって…私、あのとき何も言えなかったから」

数秒後、納得したような顔で、道哉は

「まあ、そう言われてみれば、そうだな」

「好きな人が同じ気持ちでいてくれることが、どれ程の幸せか、初めて知ったよ、23年前の夏…この場所でね」

「もう23年も経ったんだなぁ…あの頃はまだ俺、つくづくガキだったと思うけど」

「ううん、あの頃の道哉、本当に素敵だったなって」

「あの頃のって…今は?」

「んー、どうかなぁ?」

さっき、車でからかわれた仕返しに、ちょっと意地悪を言って笑ってみせた。

「でもね…」
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