Every single day
現在
「紫苑…愛してるよ…」

13年の間、ともに暮らしてきた部屋で、もうどれだけ聴いたかわからない言葉なのに、その言葉はいつも私の胸を熱く焦がす。

もう、すっかり自分の一部と言ってもいい道哉の体を抱き締め、密かな独占欲からキスマークをつける。

「私も…愛してる」

蜜月は長くは続かないと言うけれど、どうやら私たちは例外みたいだ。

ハネムーンで初めて結ばれた夜を思い出した。

思う存分愛し合ったあとのピロートークは、今も昔も他愛のない話だが、いつも幸せだった。

「紫苑さぁ…」

「ん?」

「なんていうか…凄くエロくなったよね」

道哉がいきなりそんなことを言うので、ギョッとした。

「な、なんてこというの!」

「いや、ハネムーンの夜のことを思い出すとさぁ…」

「道哉も思い出してたの?」

「ん、紫苑も?」

「うん…」

道哉がいたずらっぽく笑って

「あの頃の紫苑…というか、新婚時代は初々しかったのに、今はもう…どうしたら俺が悦ぶかも知りつくしてるし…」

なんという恥ずかしいことを…!

「そ、それは道哉だって同じじゃない?」

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

なんだか本当に嬉しそうだ。

全く…。
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