旦那様は征服者~琉聖編~
「あの、何かお手伝いする事ありませんか?」
「いえ、大丈夫です」
「……ですよね…なんだか、する事なくて……
外にも出れないし……」
「琉聖様に、聞いてみますか?」
「え?」
「私、もう少しして買い物に行くので同行していいかどうか」
「あ、そうですね。電話してみます」
早速、琉聖に電話をかける。

『小梢?どうしたの?』
「琉聖、育実さんの買い物について行っちゃダメかな?お天気いいし、外に出たくて……」
『んー、いいよ。わかった。育実と一緒なら!
まぁ…育実は間違わないし……』
「間違う?」
『ううん。気をつけてね』
「うん、ありがとう」

用意をして、育実と共に外に出た。
「何か食べたい物、ありますか?」
「いえ…特には……琉聖の好きな物を作ってあげて下さい」
「はい、わかりました。
では、ハンバーグにしましょう」
「よくご存じですね!」
「あ、いえ…申し訳ありません!お気を悪くされましたよね?」
「え?どうしてですか?」
「私が、琉聖様の好みを知ってるから」
「え?いや、そんなつもりで言ったんじゃないですよ!ほらっ!ずっと琉聖の身の回りのことされてるんだから、知ってて当たり前ですよ!」
慌てて、弁解する。
ほんとに、そんなつもりはないのだ。

前から束縛のようなものは見え隠れしていた琉聖。
昨日籍を入れた途端束縛がはっきりしだして、退き始めている、小梢。
育実からすれば、小梢が嫉妬したと思ったのだろうがそんな気持ちはさらさらないのだ。

でも、琉聖の支配はこんなものではない。

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