喧嘩最強男子の溺愛
◎ 第十七章 それぞれの新しい旅立ち

10月になり、お母さんと竜也さんが入籍した。

お母さんは再婚だし、もう大々的にお披露目はしないらしいけど、郁人が企画してくれて、私と郁人で結婚のお祝いをした。

濃い化粧をして、派手なドレスを着て、朝まで帰って来ないお母さんの仕事が嫌いだった。

今日のお母さんは優しい化粧をして、清楚なドレスで。

お母さんはとても綺麗だった。

今まで苦労してきた分、竜也さんと幸せになってね。

そして、お母さんが私に小さな花束をプレゼントしてくれた。

「帆乃香、ブーケトスはできないけれど次に幸せになるのは帆乃香なのよ。高校を卒業したら社会に出るんでしょ。たくさん人生の勉強をしなさいね。そして大切な人と素敵な人生が送れるように、この花束を帆乃香に贈ります」

「お母さん・・・。ふぇーん」

「いやね、泣かないで、帆乃香。皆が困っちゃうでしょ」

「お母さん、ありがとう。お母さんもうんと幸せになってね」

「ありがとう、帆乃香。さ、あなたは郁人くんの隣で笑って。郁人くん、これから帆乃香と郁人くんにも色々な事が起こると思うけど、帆乃香に飽きるまで、帆乃香をよろしくお願いします」

お母さんの言葉を受けて、郁人がお母さんに誓った。

「はい。帆乃香を絶対に幸せにします。帆乃香に飽きるなんてことは絶対に無いんで、心配しないで下さい」

「郁人ぉー・・・。ふぇーん」

「帆乃香、泣きすぎだって。笑ってよ。今日は幸せな日なんだろ」

「うん」


お母さんと竜也さんが籍を入れると、2人は一緒に暮らし始めた。

< 63 / 65 >

この作品をシェア

pagetop