凍りついた愛
 心地良い風が吹いていて、気分がだんだん落ち着いてきた。

 景色が良い場所を見つけることができたことに満足した。

 ホテルに戻る前に小さな茶屋に入り、そこで自分用の土産を買った。

 店員がお茶と和菓子を用意して運んできてくれた。

 それらをいただいた後、他の店も気になったので、近くのある店の中に入った。

 外を散々歩き回ったので、そろそろ部屋に戻ろうかと思ったものの、ホテル内に気になるところがあることを思い出した。

 部屋には戻らず、ホテル内にあるまだ入ったことがない店に向かった。

 せっかくだから何か買いたい。

 エレベーターで下の階へ行くと、甘い匂いが漂っていて思わず笑みが零れた。

 数多く並べられている商品をゆっくりと歩きながら見ていると、一人の客とぶつかりそうになった。


「すみません」

 その客は頭を下げて、すぐに店から離れて行った。

 近くにいる店員と視線が合って、なずなは店員に歩み寄った。
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