一番好きなのは、キミだから
雪乃ちゃんがいる真宙くんに、あたしの恋人になってだなんて思わない。
ただ、あなたを好きだって想いを伝えたくて。
「あたしが真宙くんを嫌いになんて、なるわけがないよ。その逆で、ずっとずっとあたしは……真宙くんのことが好きだったの!」
「…………」
真宙くんは、ずっと前を向いて立ち止まったままで。さっきから、何も言わない。
彼女がいる相手に突然告白だなんて、一方的すぎるよね。
何よりあたし、真宙くんを……困らせてしまってるよね。
真宙くんが黙ってるってことは、きっとそれが答えなんだ。
あたしは、真宙くんのシャツを掴んでいた手をそっと離した。
結果は最初から『YES』じゃなく『NO』だって、分かっていたことだけど……。
まさか返事すらしてもらえないっていうのは、尚更ショックだな。
あたしは、唇を噛み締める。
「ごっ、ごめんね真宙くん。急に告白なんてしちゃって。今のは……忘れて? 本当にごめん」
力なくそう言ってあたしが真宙くんから離れ、踵を返したとき……。