一番好きなのは、キミだから

◇真宙くんと初デート




1学期の期末テストが終わった週末。


いよいよ待ちに待った、真宙くんとの初デートの日がやって来た。


7月上旬の今は梅雨の真っ只中だから、お天気はあいにくの曇りだ。


このまま雨、降らないでくれると良いんだけど。


心の中で祈りながら、あたしは家を出た。





えーっと。今の時刻は……。


電車を乗り継ぎ、デートの待ち合わせ場所である駅に到着。


スマホで時間を確認すると、待ち合わせ時間の15分前だった。


よし。初デートで、遅刻せずにすんだ。


真宙くんは、さすがにまだだろうなぁと思いながら辺りを見渡すと。


「えっ」


真宙くんは、すでに来ていた。


「まっ、真宙くん!?」


「あっ!」


あたしを見つけるなり、真宙くんの顔がパッと明るくなり、こちらまで走って来てくれた。


「おはよう、七星」



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