ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。





それはほんの一瞬の事で。




唇をはなした魔王が、少し顔を赤くして私を見つめているのが、暗闇の中でもわかった。





「忘れられるわけねーだろ。
こんなとこで、こんな状況で、まさかこんな刺激的な告白されるとは。

まじねーわ」



「っ、ご、ごめん…」




おっしゃる通りすぎて言い返す言葉が…でも、だったら





「な、んで。キス「好きだよ」





強引に遮られて、もういっかい、今度は噛みつくみたいなキスされる。





「好きでもねぇ女にキスするわけねーし」



「…、ん」





唇をはなして、すぐにまたキス。

今度はゆっくりと、丁寧に合わせるような。





「…むかつく。俺が絶対先言うつもりだったのに…


好きだ。


お前のこと…



りののこと、すげー好きだよ」







こんなに俺に死ぬ思いさせんのお前だけだし、なんていう言葉が耳元で聞こえて





私を抱きしめる魔王の肩越しに見えた夜空に、もう花火はなくて。





だけど満点の星空が、どこまでも広がっていた。






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