あなたは運命の人
彼は小学三年の時に隣に引っ越してきた。
私をいじめっ子から守ってくれた時から私は彼に絶対の信頼をおいている。
最近はたまにパシリに使わされるけれど。


「守ったよ!ちゃんと桐人君の目を見ながら言われた通りに伝えたもん!」

私は両手の握り拳をブンブン上下に振りながら訴える。

「でも会わせろって言われたんだろ?全然できてねーじゃねーか、チビ」

確かに私は一五〇センチしかないけども、

「チビは酷い……」

悔しくて涙目になる私。

「じゃあガキ。この前も俺の酒の買い物すら出来なかったくせに」

「それは言わないでっ!」

私は自分の容姿が嫌いだ。
背も一五〇センチと低いし、おまけに童顔。
肩まで伸びている真っ黒な髪もいけないかもしれない。
年相応に見られたことなんて一度も無い。
そのせいで諒ちゃんにこの前パシリに使わされた時、店員さんに未成年だと疑われてお酒をすんなり買えなくて免許証を見せたほど。

「もう結婚しちゃえば?」

面倒臭そうにまた自分の髪をクルクル弄る諒ちゃん。
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