【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「なるほど……。それで救命に?」
「ああ。……まぁ患者に携わる数は、救命のが圧倒的に多いからな。その分助けられる患者も多い」
川富先生の問いかけに、俺はコーヒーを飲みながらそう答えた。
「……そうね。救命医なんてってわたしも思ってたけど、今では救命医の仕事以外考えられないな」
そういえば川富先生は、なんで救命医になったんだっけ? 聞いたような気がするけど、忘れてしまった。
「わたし、救命は特別な仕事だと思ってる。……だってわたしたちは、朝も夜も患者のために必死で毎日働いてる。自分のためじゃない。患者のために働いてる」
「……そうだな。俺はこれからも救命医を続けるし、この仕事を辞めるつもりもない。脳外科には戻らないし、派閥争いなんてごめんだ」
「加古川先生らしいね」
川富先生からそう言われた俺は「別に。俺は応援してくれる人のために頑張りたいだけだ」と答えた。
この仕事を応援してくれる美乃梨のために。いつも笑顔で俺を支えてくれる美乃梨のために。
「俺は救命医であって、外科医でも小児科でもないからな」
救命医は常に、誰かの役に立てる仕事だと思う。