【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
車に乗るやいなや、鈴音さんはそう言ってきた。
「え?」
ちゃんと見てて……?それはどういう意味なのだろうか……?
「兄からある程度の事情は聞いたわ。 あなた、ビルの屋上から身を投げ出して死のうとしたんですって?」
「……っ!」
凜人さん、そんなこと話したの……?
「色々あったみたいだけど、そんなに思いつめたらダメよ。あなたの人生は、まだこれからなんだから」
鈴音さんにそう言われてわたしは「……はい」と答えた。
「それに兄は、困ってる人を見捨てるなんて出来ない性格なのよ。 だからもし、目の前で死のうとしてる人を見たら、必ず助けるの。……兄は医者だから」
「……凜人さんは、わたしの命の恩人です」
きっと凜人さんに助けてもらえなかったら、今頃わたしはここにはいなかっただろうし……。
そんなことを考えていたら、鈴音さんは言葉を続けた。
「もしあの時あなたが身を投げ出したとしても、兄はきっとあなたを助けたと思うわ」
「……え?」
「兄は誰よりも、患者を救いたい。そう思っているから」
誰よりも患者を、救いたい……。