やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました

 けれど彼女は曖昧に笑っただけで……否定はしなかった。

 それを見ただけで俺は、
 頭にカッと血が登った。

(何でだよ)

 何で平気なんだ?
 ずっと本命だった相手と、彼氏がまだ会ってるんだぞ。
 しかも三上さんも、何でわざわざライバルの女に会ってやるんだよ。お人好し過ぎるだろ。

 声を掛ける日向もおかしいが、応じる三上さんだって──
 何で主張しないんだ……

(何で俺はこんなにイライラしてるんだ)

 三上さんが笑ってるから。
 ……日向が好きだって。
 一途で……いい奴だって。
 一途イコールいい奴って訳じゃないだろうに。
 
 付き合ってる彼女を不安にさせてる時点で……本当は日向は不誠実なんじゃないの?

 はっと気づく。

 でも多分それは……俺が三上さんに……日向に対して持って欲しい感情なんだって……

 だからいつもこんなにイラついてたんだ。
 一体いつからか、どうしてか、何て、自分でもよく分からないけれど……
 
(うあー、最悪……)

 大嫌いな奴の彼女の事が……俺は好きみたいだ。
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