【完】夢見るマリアージュ

「そういうんじゃないって…。
俺がリクエストして、作って貰っているんだ」

海はニヤニヤとしながらこちらの顔色を窺っている。 もしかしたら何か勘違いしているかもしれない。

いや、勘違いというか、それは勘違いでもないんだけど。

事実、始めから城田さんには好印象だった。 そして数ヵ月という時を過ごしていくうちに
こんなに自分の空気感と合い、居心地の良い女性がいるのだと知った。  見た目とか容姿だけではなく、彼女の包み込むようなオーラが、俺にはとても温かくて優しく感じたのだ。


しかし最近焦る。
海の言う通り城田さんの変化はめまぐるしいものだ。
もしかして…彼女には好きな人がいるのかもしれない。

少しずつ変わって行って明るくなっていく、性格も前向きになっていって
そんな彼女を周りだって放っておかないんじゃないか。  事実オフィス内では、彼女の変化は噂になっている。

阿久津フーズファクトリーの営業部にはイケメンが多い。 どうしよう。そんな事に焦ってしまっている自分が変だ。

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