ふたつ名の令嬢と龍の託宣
【第9.5話 初めての夜】
組み敷かれた寝台の上、絶え間なく口づけが落とされる。取られた手首を縫いつけられて、逃げることも叶わない。
絡み合う舌の湿った音の中に、鼻から漏れる甘い声が入り混じっていく。覚悟できているのかも分からないまま、ジークヴァルトの熱に飲まれていくのが自分でも分かった。
手首を掴まれていたのが、いつの間にか指を絡め合っている。苦しくて握り返すと、さらに深く口づけられた。
耳たぶの柔らかいところを甘噛みされて、リーゼロッテは耐えきれずに身をよじらせた。ジークヴァルトの息が熱い。くすぐったさに混じって、言いようのないぞくぞくした感覚に見舞われる。
上ずった声が小さく漏れた。自分でも驚くくらいの甘く高くか細い声だ。どこから出ているのかというほどの、出したこともないいやらしい声だった。
かと思うと肌の上を滑り落ちる指の刺激で、たまらず大きな声がこぼれ落ちた。脇腹を這った指先は、そのまま胸元へとたどり着く。
「あっ、いやっ、だめ、ぁあンっ」
この胸は小さすぎて、ジークヴァルトの手ですっぽりと覆われてしまう。包まれて、手のひらで胸先を転がされる。いつの間にかはだけられた胸を、自由になった腕で必死に取り戻した。庇うようにクロスして、見せないようにと身を縮みこまらせた。
丸くなっているすきに、夜着を腕まで落とされる。外気に触れた肌が粟立ち、露になった肩にジークヴァルトの口づけが降ってきた。
「あん、はっ、ンん、ヴぁる、とさ、ま……おねが……い、もすこしまっ、て……」
「待たない」
もう、駄目だ。熱い唇が苦しげに吐息を漏らす。
きつく結んだ片腕を取りあげ、ジークヴァルトは手首の裏に口づけてきた。舌を這わせながらどんどん腕を辿っていって、高く持ち上げたまま二の腕のやわらかい部分を甘噛みされる。
腕の付け根までくると、ジークヴァルトの鼻先が確かめるようにすんと鳴った。脇を大きく舐めあげられて、リーゼロッテは悲鳴に近い嬌声を上げた。
絡み合う舌の湿った音の中に、鼻から漏れる甘い声が入り混じっていく。覚悟できているのかも分からないまま、ジークヴァルトの熱に飲まれていくのが自分でも分かった。
手首を掴まれていたのが、いつの間にか指を絡め合っている。苦しくて握り返すと、さらに深く口づけられた。
耳たぶの柔らかいところを甘噛みされて、リーゼロッテは耐えきれずに身をよじらせた。ジークヴァルトの息が熱い。くすぐったさに混じって、言いようのないぞくぞくした感覚に見舞われる。
上ずった声が小さく漏れた。自分でも驚くくらいの甘く高くか細い声だ。どこから出ているのかというほどの、出したこともないいやらしい声だった。
かと思うと肌の上を滑り落ちる指の刺激で、たまらず大きな声がこぼれ落ちた。脇腹を這った指先は、そのまま胸元へとたどり着く。
「あっ、いやっ、だめ、ぁあンっ」
この胸は小さすぎて、ジークヴァルトの手ですっぽりと覆われてしまう。包まれて、手のひらで胸先を転がされる。いつの間にかはだけられた胸を、自由になった腕で必死に取り戻した。庇うようにクロスして、見せないようにと身を縮みこまらせた。
丸くなっているすきに、夜着を腕まで落とされる。外気に触れた肌が粟立ち、露になった肩にジークヴァルトの口づけが降ってきた。
「あん、はっ、ンん、ヴぁる、とさ、ま……おねが……い、もすこしまっ、て……」
「待たない」
もう、駄目だ。熱い唇が苦しげに吐息を漏らす。
きつく結んだ片腕を取りあげ、ジークヴァルトは手首の裏に口づけてきた。舌を這わせながらどんどん腕を辿っていって、高く持ち上げたまま二の腕のやわらかい部分を甘噛みされる。
腕の付け根までくると、ジークヴァルトの鼻先が確かめるようにすんと鳴った。脇を大きく舐めあげられて、リーゼロッテは悲鳴に近い嬌声を上げた。