総長様の溺愛は、甘すぎます。
「君が佑香さん?」

ダンディーな雰囲気の30代後半?ぐらいに見える男性。

どことなく凌くんに似ている。
凌くんが、歳をとったらこんなかっこよさになるのかなって思う。

「えっと、初めまして。」

息切れが止まらない私に比べて、凌くんは涼しい顔をしている。

「初めまして、凌の父です。ずっと、海外で仕事をしてて、なかなか帰って来れなくて佑香さんにも会えなかったんだ。悪かったね。」

凌くんの…お父さんっ!?

「あ、とんでもないです!!」

凌くんのお父さんは優しく笑うと、『座って』と対面のソファーを手で示した。

「失礼します。」

ドク、ドク、ドク……

心臓の音がうるさい。

「単刀直入に言うね。凌が卒業したら、凌と結婚して欲しい。」
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